夜  話  
「そんな風に優しく気に掛けてくれた貴方への、深衣さんからのお礼の気持ちだったのね。
誰かを想う事にふと疲れてしまったときに。
貴方からの優しさが嬉しかったのよ。」


そう言ったわたしの、それ以上の言葉を封じるように、皎の指が優しくわたしの唇に触れました。


「俺は優しくなんてない。
ただ、我儘なだけだ。
心の中では泣いているくせに、素直に泣くことをしなかったあいつを見たくなかっただけなんだ。」


ぶっきらぼうにそう言う、皎のその言葉が。


その態度が。


優しさの発露だと言う事に、皎は気付いてはいないのでしょうか。
< 201 / 414 >

この作品をシェア

pagetop