夜  話  
そうしてわたしは、ここの所しばらく体調を崩していた所為で、飲むことの出来なかったスパイスティーを、久しぶりに堪能することにしました。


窓の外に広がる世界は、万物の上に雪の白いベールが広げられ、あまねく降り注ぐ月の光が変化するたびに刻々と異なる印象を与える景色を見せてくれています。


わたしは、その夢のような風景に心を奪われながら、薫り豊かなスパイスティーをいれたマグカップを手にして、ほう、と息をつきました。
< 283 / 414 >

この作品をシェア

pagetop