夜  話  
「あ……………。」


わたしの顔を見て、何かを言いかけた皎の言葉を遮って、わたしは皎に話しかけました。


「待っていたわ。」


皎の視線をとらえてじっと瞳を覗き込みながら、わたしは自分の中の退かない決意を確認しながら話します。


「ずっと………待っていたの。
貴方が飛び出して行ってしまったあの日から、ずっと。
貴方は何故、急に飛び出していってしまったのか。
何故、わたしに謝罪の言葉を残していったのか。
ずっと。
ずっと。
考えながら。」


言葉を挟みたそうな皎の様子に気付きながらも、わたしは言葉を続けました。
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