夜  話  
そして時は満ち。





わたしの腕の中で小さなあくびを繰り返している、このいとおしい存在は、全身全霊で誕生の喜びを表しながら産まれてきたのでした。


しっかりと握りしめた両の手には、何をつかんでいたのでしょうか。


魂の底から絞り出すかのような泣き声は、誰に届けたい声だったのでしょうか。


貴方を取り巻いていた、たくさんの人達をわたしは知っています。


貴方がわたしに話してくれた、たくさんのお話と共に貴方の記憶の全てはわたしの中に大切にしまわれてあるのです。
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