夜  話  
それらがまるであらかじめ定められていたかのように繋がった、あの瞬間を。


奇跡と言わずして、なんと呼べばよかったのでしょうか。


あの人がくれた命には。


魂とも呼ばれる部分が欠けているような兆候を示していて。


魂だけの存在と言ってしまえるような皎は。


降りるべき肉体を欲していたのです。


あの夜。


悠久の時間の流れる月の世界に戻ることを選ばずに、わたしと同じ時間の流れの中に身を置きたいと望んでくれた皎。


それは同時に、皎と離れたくないと願っていたわたしの望みを、皎が叶えてくれた瞬間でもありました。
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