夜  話  
あふ、と。

ちいさな欠伸を放って、わたしを見つめ上げる貴方に、わたしは微笑みかけます。


「貴方がくれたものは全て、わたしの中にあるのよ?
そして、これからの時間の中で、わたしは貴方にわたしの中にある全てのものを手渡していくの。」


囁くわたしの言葉をどこまで聞いているのか、ふくふくとした小さな耳がピクリと動きます。


そして、その深い黒真珠のような色をたたえた瞳は、なにかを訴えかけるかのように、じっとわたしを見つめているのでした。
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