夜  話  
「それで?どうして、俺の約束を疑った?」


今夜は、かなり早い時間に来たつもりなんだが。


そう、小さく呟きを付け加えて、皎が問い掛けるのに、わたしは皎の顔をまじまじと見てしまいました。


「だって。」


わたしは、皎に訴えました。


「あの日から、もうひと月も経つのに、あなたったら、何の音沙汰もなかったじゃない。」


次の月の夜の約束をしていたというのに。


わたしは、そう言って彼を責めました。
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