夜  話  
「そ…か。おまえは、そういう奴なんだったな。」


そう、優しげな声を漂わせると、皎はわたしの髪を、くしゃ、とかきまぜました。


「俺が、知っていた奴らとは、お前は違うんだな。」


そして、そうっとわたしの肩を壊れ物のように扱って、わたしを離し、顔を近付けました。


「俺もなんだか、うれしいよ。…約束を果たしに来るのが楽しく思えるなんて、多分初めてだ。」


そう言う皎の顔は、少し照れているようで。


つられて、わたしも顔を赤らめました。
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