夜  話  
「だって、わたしとの約束を、ちゃあんと覚えていてくれていて、そうしてすぐに来てくれた、って事でしょう?それが、うれしいの。」


抱きついてはみたものの、異性相手にそんな行動をとってしまった自分が信じられず、恥ずかしくて彼の肩に顔を埋め、わたしは答えました。


「俺を責めないのか?」


皎が怜悧な硬質の声で問います。


「どうして?だって、あなたはわたしとの約束を守ってくれているのに?」


わたしが、そう問い返すと、彼は軽く笑ったようでした。
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