そして秘密の〜番外編〜
「でもな……俺はおまえとは、この数時間の『ずっと』じゃなくて、将来の何年先、何十年先の『ずっと』を考えているんだよ」

話しているうちに、美雪への愛しさが込み上げてきて右手を伸ばし、頭を撫でた。



今、帰したら、今度こんなふうに触れられるのが、いつになるのか分からない。

だから、本当に帰したくない。

でも、帰さなくちゃいけない。

俺と美雪の未来の為に……。




「俺はいつかおまえのご両親に挨拶する時に、胸を張って挨拶したいんだ。

 俺が教師をしているのに、在学中からおまえと付き合っていた事を話せば、反対される可能性が高いのは分かっている。

 だからこそ、それ以外の事で反対される原因を作りたくはないんだよ。

 ……俺の言ってる意味、分かるよな?」


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