美しき空
「だったら…、お二人とも別れなくて良かったのに…。」
また空海は悲しそうに顔を伏せた。
「空海…。知ってるだろ?今の俺の家の事情…。」
「だったら、美空にも話して…っ!」
真っ直ぐ前を向いて、真剣な顔をする永遠の顔を見て、空海は何も言えなくなっていた。
「じゃあ俺こっちだから、もう行くわ。」
たくさん並んだ講義室の前で、永遠は明るく左を指差す。
「あ…、はい……。」
「じゃあなっ。」
永遠は軽く手を振って講義室へと入って行く。
「あれが永遠の考えて出した答えなんだよ…。
同じ双子の兄としてほっとけないのは解るけど、俺達は見守るだけだよ…。」
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