美しき空
「悠久くん……。」
悠久も自分の講義室へと入って行った。
(僕には美空達のために、何もしてあげられないんでしょうか…?)
空海は悲しそうに下を俯く。
『俺達には見守るだけだよ。』
空海の脳裏に、先ほどの悠久の言葉が蘇った。
(美空…、永遠くん……。)


「そこで、この問題は公式を当てはめて…。」
「……。」
教授の声が響き渡る中、永遠はボーとシャーペンを指で弾いていた。
ここで双子達の紹介。
この男の名前は楠木永遠。
『永遠』と書いて『とわ』と読む。
そして双子の兄の悠久。
『悠久』と書き、『ゆう』と読む。
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