アタシの弟。
「…ちょっと、瑠唯!」
「なに?」
「そこ、邪魔」
「あっそ」
…ムカつく~~~~~!!!
「あんたはね、デカイから邪魔なの!」
「雅がチビなだけじゃん」
「チビじゃない!!!!!」
このムカつくのが、あたしの弟。
結城瑠唯(ユウキルイ)。
全然普通じゃない高校生。
眉目秀麗、成績優秀、スポーツ万能………
ほんと姉弟とは思えない違い。
「…もう!!!
髪の毛も直んないし………」
「ちょっと貸してみ」
瑠唯があたしの後ろに回って、髪をいじりはじめた。
「ちょ………っ!
勝手に触んないでよ」
「別にいいじゃん。
姉弟なんだし」
そんなこと言われても…っ
まともに鏡が見れない。
…あたし、きっと今顔真っ赤だ………
「はい、完成」
「………うわっ!すごい!!!
なんでこんな早く仕上がるの~~~!?」
鏡を見ると、いつもより綺麗にまとまっていた。
あたしでもこんな綺麗にできないのに………
「雅不器用すぎ」
「失礼な!」
あたしは怒りながらも鏡を見とれていた。