シルバーブラッド 眠らぬ夜に

友達

増本さんが予知したとおり、牧野に連れて行かれたところには、女の子たちが待っていた。

相手は派手な感じの二人組み。

場所は、会社からも近く、気軽に入れる感じのショットバーだ。

牧野はここがお気に入りらしく、浩之を誘うときはだいたい、ここだ。

遅れてきたことを詫びながら、牧野は女の子たちと同じ席に着いた。

浩之は一言も発しないで頭を少し下げただけだった。

顔を上げると、女の子たちの視線がねっとりと絡みつくのを感じた。

この感じが、浩之は嫌いだった。

品定めされているのがありありと分かるからだ。

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