【短】3人の強引彼氏


口に学ランの袖を当てて
頬を赤くしてはにかみながら
アタシに言う汰壱。

不覚にも、ドキッとしてしまった。

「そんな冗談、笑えないから。」

今度は冷たく言い放すアタシ。

「ジョーダンじゃねえって!お前だって顔赤いじゃん!」
「あんたの方が真っ赤。からかわないでくれる?そーゆーの嫌なの。」

こんなの慣れてるはずだったのに

少し潤んだ細い目が可愛くて
はにかんだ顔が眩しくて

胸が高鳴ってしまう。

「可愛くねーっ!まあ、そうゆうとこもスキだけど。」

前言撤回。
心臓…うるさいよ…。
このままならいっそ
止まってくれても構わない。

「アタシは誰のモノにもならないから。」
「でもキスマーク着いてるよ?」

首を指差して言う汰壱。

「えっ………?」

きっと今朝までの男のだ。
みに覚えがあるアタシは、
慌てて首筋を隠そうと手をやった。

それよりも早く、
汰壱がアタシの手をとった。
なんかこいつのペースだ…。

「指、綺麗だね。」

触られている所を見ると
もっとドキドキしそうで
アタシは机に目を落とした。

「つ、付き合わないから。」
「はいはい。だけど今から俺のだから。」
「は?」

アタシは汰壱の方を見ると、
アタシの右手の人差し指には、
赤く加工されたピンキーリングがあった。



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