【短】3人の強引彼氏
「紹介してくんね?俺のこと。」
何を言い出すのかと思ったら
そんな事……?
「アタシ、親居ないから。じゃ」
「え………。」
ほらね。
アタシの事何も知らないくせに
スキなんて馬鹿馬鹿しいのよ。
確かに頑張って、アタシの中に
入ろうとしてきたけど、
やっぱり皆同じ。
親がいない、と言うだけで
みんな離れてアタシを軽蔑するんだ…。
所詮、この男も同じ。
だからこいつに話しても意味がない。
ていうか、もう誰にも話さないし。
冷たく言ったアタシが
黙ってウチに入ろうとした時、
ぐいっと腕を引っ張られ、
気付いたらアタシはこの男の腕の中に居た。
「離してくれる?軽蔑したでしょ?捨てられたアタシを。」
「……しない。」
嘘ばっかり。
「はいはい。もう分かった?アタシはこういう人間なの。誰のモノにもならないし、誰の力も借りない。必要ない。あんたも別に要らないから。分かったら離して」
アタシは言葉で
さらに突き放す。
「分かんねーから。」
「は?」
「言ってる意味分かんねー。」
この男、馬鹿なんじゃないの?
「だから、離さねー…。」