追憶 ―箱庭の境界―
私は仔猫とともに、
「ある場所」に向かっていた。
城内の暗い階段を降りながら、
私は言った。
「…あなた、昨夜…もしかして起きていましたか…?」
仔猫の心臓は高鳴っていた。
私はそれを聞き逃さなかった。
「…やはり…聞いていましたね…?」
ニャァ…
『にゃに言ってりゅにょ?ぐっしゅりよ?』
「…ふふ…」
嘘が下手で、可愛らしい。
冷たい態度には成り切れず、どう接すれば良いのか少し戸惑っていた。
「…まぁ…いいでしょう。子供には分かりません…」
リオン様は、
余計な事は知らなくていい。
『どこに行くにょよぅ!?』
私は何も言わなかった。
私は深い闇の中で、
彼女を憎しみ、
それでも愛し、悲しみ。
自分で終える事が出来ず、
「誰かの手」を待っている。
終焉を望んでいる。
今は、
私も「鳥籠」の中の鳥。
それは、知られなくて良い。