追憶 ―箱庭の境界―
私たち2人の城。
そこは辺りを深い暗い森に囲まれた、静かな澱んだ城。
先日出来上がったばかりの石造りの城は、私たち2人を恨む国民に攻めいられる事を予測して作った、要塞に近い物だった。
重量感のある灰色の城。
華やかさは微塵もない。
いつか…
2人で静かに暮らすはずだった。
その城に踏み込ませまいと、百人はいるであろう私の部下である青服の群れが、城の入り口へと続く広い階段の前に集結していた。
目の前には対峙するのは、たった6名の反乱軍。
じりじりとその距離を縮めながら、開戦を今か今かと警戒している。
報告が入っていた。
6名の中に1人、
紅色の魔力を持つウィッチが居る、と…。
ゆらゆらと炎の様に、
体から紅く立ち上る魔力…。
「…紅い…力だ…!」
「…紅い…」
ざわざわと…、
青服たちの注目は、自然と彼女へと集中した。
紅い光が大きく、
この地全体を纏っていた。
…もう、
どうでも良かった。
私は、ただ…
殺される為だけに、
激しい抵抗を見せているだけに過ぎなかった。