倉庫の王様
空き時間に行った元部室。



屋上と言っても誰も来ない北側の屋上。



その横にある小さな小さな部屋…。



開けた瞬間なにもない空間に感謝…。



「タバコ部屋にすんの?」

「なんで着いてくんだよ!!」

「遊和、おかしかったから」



余計なヤツがついて来た…。



トーヤに見つかったらサチ呼べねぇじゃん。



「マジで資料室にすんの」

「ウソだね。まさか逢い引きに使う感じ?」

「文句あんのかよ」

「ないよ、たまに使わせてくれたら」



朝だけでいい。



あの時間だけ確保できればいい。



トーヤと契約した。



朝は俺が使って放課後まではトーヤ。



放課後はどっちも。



早くサチに教えてやりたい…。



「ソファーくらい置かない?」

「実験室の横の部屋にあったよな?松田先生から奪うか」

「そうしよ~」



早く教えたい。



今すぐにでも。



「トーヤ、悪いけど昼にサチ呼び出して?」

「俺が?」

「一応カモフラで…」



頼れる友達だ…。



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