倉庫の王様
先生の車は廃車。



電柱に正面から激突してて、よく生きてたって思うくらいなんだって。



『猫を避けた』



先生が覚えてる唯一の記憶。



事故の記憶しかないみたい。



そして忙しかったから車は未購入。



電話では車がほしいって嘆いてた。



早く落ち着けるといいね?



そのまま生徒会長の話しや、教頭先生の話しを聞いてた。



しばらくするとブルブル震える携帯…。



メール?



『おはよ』



ただそれだけだった。



嬉しくて顔に出しちゃいそ…。



めっきり優しくなった先生。



一緒にいると前の先生で、記憶がないなんて忘れてしまいそうになる。



だけどやっぱり少し違うんだよね。



前より少し意地悪。



若い頃の先生ってあんな感じだったのかなって思う。



『金髪でビックリ!!』



そう送ると始業式中なのに携帯を見ちゃう理事長。



不真面目っ!!



『お前カギ持ってんの?倉庫の』

『うん、あるよ』

『終わったら密会』



やった…。



< 544 / 621 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop