なんでも屋 神…第一幕
「お連れ様がお見えになりました。」



女将が、美しく細工された障子の戸を開けて顔を出した。



「あぁ分かった。神と辰徳は隣の部屋に行ってくれ。神は襖を少し開けて、これから来る男を観察してみろ。」



兄ぃの言葉を聞いた後、意味が分からないまま俺は、一葉の眠っている隣の部屋に辰徳と移動した。



「兄貴、お待ちしてました。こちらにどうぞ。」



…[神堂組]若頭である黒沢兄ぃの兄貴?



羽尾だ…。



俺は慌てて兄ぃに言われた通り、襖を開けて部屋を盗み見た。



そこには、さっきまで俺が座っていた座椅子に兄ぃが座り、上座の席には羽尾と思われる人物が座っている。
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