なんでも屋 神…第一幕
「先ず[三谷組]…詳しい事は分からないが、ウチにも情報を流した者が居るだろう。そして、これも確かでは無いが、俺は[住谷組]の残党が絡んでいると見てる。」



[住谷組]…。



二年前まで、この街の裏社会で[神堂組]に次ぐ勢力を誇っていた…いたと言うのは、もう存在しない組だから。



「お前は知っているか分からないが、[三谷組]と[住谷組]の組長同士は兄弟分の杯を交わしている。」



それは初耳だ。二年前の俺は、そんな事知らなかった。



「俺達の取引が失敗し、お前はまんまと夜逃げを成功させた。そしてその裏では[三谷組]と、お前とは切っても切れない因縁の、[住谷組]の残党…これでお前も関係の有る話しになっただろう?」



今日の話しは最初から兄ぃの計算勝ちだ。[住谷組]が動いているかもしれないなら、俺も動かない訳にはいかない。



それに、今はそれ所じゃないとしても、[三谷組]はこの件が片付き次第一ノ瀬の行方を追うだろう。



俺の仕事はまだ完璧に終わってはいない事になる。
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