なんでも屋 神…第一幕
久々に、時間も忘れるくらい楽しい酒の席だった。



一葉はペースも考えず、俺のヘネシーを奪うようにして呑んでいる。



色っぽい女将さんに閉店を告げられると、時計の針は夜中の三時を指していた。



店で手配してもらったタクシーに、一葉と共に乗り込む。



「じゃ〜な、神。」



気持ちよく酔っぱらっている辰徳は、話している内に俺を神と呼ぶようになっていた。



「おう、じゃ〜な、ノリ。」



俺も自然とノリと呼ぶようになり、窓を開けて手を振る。



「それじゃ〜ねぇ、ミニマム君。」



走り出したタクシーの後ろでは、ノリの怒声が木霊していた。
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