なんでも屋 神…第一幕
身の上話しを聞けば、辰徳は俺の三つ歳上。孤児院出身の少年院育ち。十七の頃、三度目の少年院を出所してブラブラしている時、黒沢の兄ぃに拾われたらしい。



それから、現在は暴対法施行により禁止されている部屋住みを、直接兄ぃの部屋で済ませ、二年前にやっと舎弟杯を貰えたと言う。



「俺は出来が悪くてな、部屋住み時代はよく黒沢の兄貴に、灰皿やゴルフクラブで顔の形が変わるまで殴られたよ。まぁ、今じゃ笑い話しだけどな。それに比べて、幼なじみだとは言え、アンタはスゲェよ。ただの幼なじみってだけじゃ、兄貴は決して認めやしないだろうからな。」



そうかな?兄ぃも辰徳も、俺を過大評価し過ぎだと思うが…。



「…ん〜ウルサいなぁ〜…ん?此処何処?あ、神君と…誰?このミニマム君?」



「だぁ〜れがミニマムだコノヤロー!」



それから俺と辰徳の笑い声で起きてしまった一葉も含め、三人で呑み始めた。
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