なんでも屋 神…第一幕
さてと、俺への依頼は娘を家に連れて帰る事なのだが、不倫は夫婦間の問題だし…。



「大体、あの人も私を捜しに来た事も有ったんですけど、私に気が付かなかったんですよ。」



まぁ短期間で此処まで娘が変わってしまっては、気が付かないのは無理も無い。



俺もヒロに言われなければ気が付かなかっただろうし。



「家に帰るつもりは無いんだな?」



「あんな偽りの家族の所に帰っても仕方ないでしょ?」



成る程…グレ始めてはいるが、頭はそれほど悪くは無いらしい。



「分かった。先ず一葉は働いてる店を辞める。これで良いか?」



一葉は頭を強く縦に振った。したくてしていた事じゃないのだろう。



生きていく為にと割り切っていたが、この歳でそこまで完璧に割り切れるもんじゃ無い。



そこまで話した俺は、肌が透けるような純白のシャツを羽織り、さっき分かれたばかりのヒロに電話した。



「ヒロ、一葉が勤めている[射ガール]って店のバック分かるか?」
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