なんでも屋 神…第一幕
「テメェ喧嘩売ってんのかコラ!」



俺から見て左側の、髪を金髪に染めた方が俺に掴みかかろうとするが、服部は静かに立ち上がり、そのチンピラを右に左に三発殴った。



隣にいる一葉は、その光景を見て小刻みに震え、俺のシャツをギュっと掴んだが、こんなの大した事は無い暴対法対策の一つだ。



堅気に手を出してやっていける程、今のヤクザ業界は明るくない。



それで若衆にヤキを入れて素人をビビらす。絵に描いたようなヤクザの常套手段。



「若衆が取り乱してすいませんな。でも此奴の言う事も尤もだ。只の命知らずの馬鹿か…。」



この服部と言う男は以外と慎重のようで、此奴も只の馬鹿ではないらしい。



まぁ少なくとも、目の前にいるチンピラ二人よりはだが。



「ご存知かもしれませんが、この葉月は未成年です。生活安全課に通報しても良いのですが、それではお互いに得は無いでしょう?」



ヤクザ相手に余り喋るのは得策では無い。必要最低限で良い。揚げ足を取られて立場が逆転するのが一番不味い。



「お前誰だ?」
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