なんでも屋 神…第一幕
前のような馬鹿な格好はしなくなり、膝からかなり上にあるスカートを履いてブレザーを着た一葉は、悪戯な笑顔で金魚に餌をやっている手を止めて振り向いた。



「ママは神君の所にいるなら何も文句は言わないもん。なんせ同じビルに居るんだからね。今日も一緒に来たんだよ。」



普通に見たら、中学校の校章が無ければ立派に高校生だ。髪も派手なエクステは取ったが、茶髪のロングは変わらない。



スタイルも胸が控えめな以外はスラッとしていて問題無い。



まぁ、恋愛対象にはなる筈も無いが。



あれから母親との確執は無くなったが、父親と母親は離婚したらしい。その方が一葉も気が楽だと言っていた。



今日は依頼が一件も無く、大人しくそのまま夜になった。元々繁盛している訳では無いので、こんな事も珍しくはない。


一葉は丸一日俺と話せて満足そうだ。あれから何故か俺に懐いているが、一人っ子だから兄貴とでも思っているんだろう。



コンコン。



「ちょっとお話し宜しいですか?」
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