なんでも屋 神…第一幕
「…出会った頃、まだあの人が優しかった頃、よく言ってました。畳の上で死んだらヤクザ者じゃねぇ、だからお前には迷惑をかけるって…今その言葉を思い出しました。」
そう言って流したミチルの一筋の涙は美しく、それでいて何処か切なかった…。
「だから、あの人にとってはこれで良かったのかもしれません…これは少ないですが、お約束してた依頼金です。」
テーブル上を滑るようにして差し出された、茶封筒入りの三十万円。
「今回は失敗したので、お金は受け取れません。」
差し出されたのと同じスピードで、茶封筒をミチルの方に滑らせた。
「こうなってしまったけど、ただあの人から逃げただけだったら、私は満足出来なかったと思います。だから成功なんです。調査費用もかかったと思いますし、どうしても受け取れないなら…このお金でまた依頼します。これからも[なんでも屋]を続けて下さい。私のように困っている人を、同じように助けてあげて下さいね。じゃあ私はこれで、本当に有り難う御座いました。」
立ち上がって一礼したミチルの表情は、晴れやかで凛々しく、弧を描いた眉を上げ穏和な笑顔を見せてくれた。
外の季節は身も悶える程の寒さ、秋から冬に変わろうとしている最中…それでもミチルの後ろには、季節外れの満開な桜が咲き誇って見えた。
そう言って流したミチルの一筋の涙は美しく、それでいて何処か切なかった…。
「だから、あの人にとってはこれで良かったのかもしれません…これは少ないですが、お約束してた依頼金です。」
テーブル上を滑るようにして差し出された、茶封筒入りの三十万円。
「今回は失敗したので、お金は受け取れません。」
差し出されたのと同じスピードで、茶封筒をミチルの方に滑らせた。
「こうなってしまったけど、ただあの人から逃げただけだったら、私は満足出来なかったと思います。だから成功なんです。調査費用もかかったと思いますし、どうしても受け取れないなら…このお金でまた依頼します。これからも[なんでも屋]を続けて下さい。私のように困っている人を、同じように助けてあげて下さいね。じゃあ私はこれで、本当に有り難う御座いました。」
立ち上がって一礼したミチルの表情は、晴れやかで凛々しく、弧を描いた眉を上げ穏和な笑顔を見せてくれた。
外の季節は身も悶える程の寒さ、秋から冬に変わろうとしている最中…それでもミチルの後ろには、季節外れの満開な桜が咲き誇って見えた。