なんでも屋 神…第一幕
「臭ぇ芝居はそれくらいにしたらどうだ財津。仙海が生きていて、がっかりしたろう?」
それまで慌てふためいていた財津の顔色が変わり、憤激と悔しさを唾に変えて吐き捨てる。
スーツは黒紫のブリオーニのダブル。シャツはヴェルサーチの幾学模様に黒いネクタイ。足下は白い革靴。外見だけなら、身ぐるみ破がされる前の仙海と遜色ない。
「財津、お前は組に上げる上納金をチョロマカしていた。俺が集めた情報だから、間違いは無い。そうやって貯めた金で仙海を蹴落とし、[三谷組]を手中に収めようとした。そして更に上を目指そうと、ウチに喧嘩をふっかけた。おい、そこのチンピラ共。懐の物は抜くなよ。」
財津の後ろに立って居た七人が、懐に手を入れた所を兄ぃが怒気を含んだ言葉で制した。その前にグロッグを引き抜いている兄ぃの子飼い達。
「財津テメェ…んな事考えてたのかコノ野郎!」
困惑と怒張の入り交じった鏡餅面で吠えるが、ブリーフ姿の仙海に組長の威厳は夢幻の如く消え去った。
能面を張り付けたように、双眼から力を失う財津。今、財津の思惑は砂上の楼閣となり、サラサラと音を立てながら崩れた。
「さて、順を追って話そうか。神、此奴等の企んだ絵図を話してやれ。」
それまで慌てふためいていた財津の顔色が変わり、憤激と悔しさを唾に変えて吐き捨てる。
スーツは黒紫のブリオーニのダブル。シャツはヴェルサーチの幾学模様に黒いネクタイ。足下は白い革靴。外見だけなら、身ぐるみ破がされる前の仙海と遜色ない。
「財津、お前は組に上げる上納金をチョロマカしていた。俺が集めた情報だから、間違いは無い。そうやって貯めた金で仙海を蹴落とし、[三谷組]を手中に収めようとした。そして更に上を目指そうと、ウチに喧嘩をふっかけた。おい、そこのチンピラ共。懐の物は抜くなよ。」
財津の後ろに立って居た七人が、懐に手を入れた所を兄ぃが怒気を含んだ言葉で制した。その前にグロッグを引き抜いている兄ぃの子飼い達。
「財津テメェ…んな事考えてたのかコノ野郎!」
困惑と怒張の入り交じった鏡餅面で吠えるが、ブリーフ姿の仙海に組長の威厳は夢幻の如く消え去った。
能面を張り付けたように、双眼から力を失う財津。今、財津の思惑は砂上の楼閣となり、サラサラと音を立てながら崩れた。
「さて、順を追って話そうか。神、此奴等の企んだ絵図を話してやれ。」