なんでも屋 神…第一幕
最初に抜いた五発の実弾をポケットから取り出し、その中の一発を弾倉に込め、[三谷組]の方に見せた。



「今度は間違い無く入ってるだろう?」



返事は待たずに弾倉を戻し、適当に回転させる。



「止めろ神!」



兄ぃの怒気を含んだ声を流し、冷え切った銃口を蟀谷(こめかみ)に押し当ててハンマーを起こす。



何度も誓った…真美の為ならば、この命など微塵も惜しまぬと…。



沸騰する脳みそ…力の限り双眼を見開き、首に青筋を立てて口角を開く。



工場内に響き渡る、獣のような咆哮…。




俺の運命の待ち受ける先は何処なのか…断罪なら今下されるだろう…。
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