なんでも屋 神…第一幕
本来ならば、実弾が一発だけ入っているはずだが、弾倉の中には何も入っていない。



全てが演技…一番最初に天井を向けて放ったのは計算づく。あれで弾倉の中には弾が入っていると言う事を、皆の頭に刷り込んだ。



あとは弾を込めるふりをして、恐怖に怯えた演技をしながら引き金を引き続けるだけ。



「汚ねーぞこの野郎!」



今まで命の遣り取りを、ただ固まって見ているだけだった[三谷組]の石像共が動き出した。



懐からベレッタを取り出し、口汚く喚き続ける[三谷組]の馬鹿共を見ながら、天井を向けて一発撃つ。



「黙ってその口を閉じてろ。」



…勿論これだけで終わりはしない。これは相馬の意志の固さを計る為にした事だ。
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