なんでも屋 神…第一幕
それから何だかんだ動いて、結局家に帰ったのは夜の九時過ぎだった。



車庫に一日中一緒に走り回ったマジェスティを停め、重くなった足を一歩一歩確実に進める。



今度から夜逃げを手伝うのはよそうかな…本番は明日だってのに、報酬と疲労の比率が合わない。



「ただいま。」



「遅い!」



目の前にいたのは怒り顔の一葉だった…疲れてて突っ込む気力も無く靴を脱ぐ。



ん?この匂いは…カレーだ!



イトさんの作るカレーは滅茶苦茶美味いんだよな。



カレーの匂いを嗅いで少し体力の回復した俺は、急いでカレーが待つリビングに向かった。



「イトさんカレーまだ有る?有るよね?有るって言って!」



半ば泣き顔の俺を見て、イトさんはカレーを持ってきてくれた。
< 54 / 309 >

この作品をシェア

pagetop