なんでも屋 神…第一幕
真美と死神を追いかけようにも、髑髏共が手に足にまとわりつく…。



声を出そうにも、身体を撫でる緩い横風に、俺の叫びはかき消される…。



俺の存在など、最初から真美と死神には見えていない。



たとえ二人の向かっている先が虚空の闇に染めた空間でも、歩み続けている真美と生死を司る死神に、俺の存在など見える筈が無い…。



過去の贖罪から逃げだし、全てを投げだし、過去に背を向け、乗り切ったふりをして偽りの自分を演じている。




方法は只一つ。



過去を恐れず、逃げずに立ち向かう事…それが罪を償う事の出来る唯一の答え…。



偽りの十字架を背負っても、まだ罪が軽すぎると、誰かの声が俺を責める…でも、この声は誰……。
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