time
海斗!?
海斗も一緒なの!?嘘ッ!!
久しぶりに聞いた名前に思わず反応したが、あたしはすぐに顔を暗くした。
嬉しい反面、今さらと否定的な感情がある。
「ふーん」
今の複雑な心境を悟られないように、それだけ返事をしてそそくさと次の授業の準備をした。
「嬉しくないの?」
キョトンとした表情で亜美がたずねる。
嬉しくないわけじゃないけれど・・・。
海斗とはあれ以来、一回といっていいほど話していない。
もう、話し方も忘れてしまった。
「嬉しくないわけじゃ・・・」
素直にならないあたしに、さっきよりも強い口調で問う。
「何難しい顔してんの。」
「だって・・・」
「本当はもう1度ちゃんと話したいんでしょ?海斗と」
戻れるのなら・・・話したいに決まってるよ。
けれど・・・
「あと1年もないんだからね?よく考えな?」
あと1年。
これでお互い別々の道を歩むんだ。
いくら苦しくても、
どんなに思っていても届かなくなってしまう。
このまま終わりは嫌だ。
最後に見る笑顔があのときのままじゃ・・・。
「あたし、頑張るよ。最後だもんね。」
静かにそう告げると、亜美はあたしの肩をポンッと叩いた。