time
次々と自己紹介が終わっていき、いよいよ海斗の番になった。
「矢島海斗です。よろしくお願いします。」
坦々と、そして冷静に済ませた海斗。
だけど、明らかに様子が違って見えた。
きっと、海斗もまさかあたしと一緒になるとは思っていなかったんだろう。
視線を合わせないようにしていた。
ねぇ、あたしはもう1度きちんと話しがしたいよ。
海斗のどんな気持ちを知ろうとも、
全部聞きたい。
たとえ、
どんな結果になっても・・・
「東野美絵です。最後に、思い出をつくれれば嬉しいです。よろしくお願いします。」
これで自己紹介は終わった。
「じゃぁ係りに分かれてもらう。誰か、総務をやってくれる人はいないか?」
総務、そんな重い仕事誰もやりたがるわけがない。
もちろんその中にあたしも入っている。
5分経ってもみんな手をあげようとしない。