卒業

「皆が、先生のことを好きだから…ですよ。」

先生の顔に？マークが書かれていたので、私は付け足す。

「もしも来年、先生がいなくなったら寂しいからこそ、そうなったら嫌だな～とかって雑談から、こんな噂に発展したんじゃないんでしょうか。」



先生は照れながら言う。

「…そうだったら、嬉しいな。」

そして、続けた。

「…松居は？」

いつもみたいに。

「え？」

私の目を

「松居は、寂しい？」

真っ直ぐ見て。

「…もし、僕が居なくなったら、寂しい…？」

どうして。

そんなこと言うの…？

━━━━━━……私は…

「当たり前じゃないですか。」

笑顔を作って答えた。

…あくまで、社交事例。



先生は、ははっ、と笑いながら

「良かった。」

と言った。