卒業

Ⅵ 残された一年

三年生 4月



私は、
先生への想いを
はっきりと自覚し、
春を迎えた。

高校三年生になった。

あと、一年。

先生と居られる時間。


"先生がいなくなる"

その情報は、
確かに私を動揺させた。

あの時覚えた不安は、
忘れたくとも
忘れないだろう。



少なくとも、在学中は…





担任発表のとき、
私は期待した。

…中林先生が、担任だったら…

もっと密接に関わりが持てる。





担任は、
昨年度に引き続き、
佐山先生だった。

決して嫌ではない。

むしろ、佐山先生だって人気者だ。

…しかし私は、正直なところ、残念だと思ってしまった。

イメージばかりが先走って、先生が私のために、校長先生に、あのクラスの担任をさせて下さい!なんて頼んでくれてたり…

なんてぼんやり考えていた私は、"恋する乙女"みたいだなぁと、我ながら笑ってしまった。

そんな可愛いものに…いつか私は、なれるのだろうか?





「先生、課題持ってきましたー。」
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