卒業
先生は、ニッと笑って、

「ここまでやったら、こっちのを…」

「あっ!!コレに代入するんですね!?」

「おぉ、流石松居!そうそう、あとは出来るんじゃないか?」

「はい。」





…やっぱり、先生といるのは楽しい。

恥ずかしかったり、
苦しかったりするけど…

先生は、
私の知らないことを
たくさん知っていて。



先生といるだけで…



世界がキラキラと、
輝きを増してゆく
気がする。





「折角だから、最後まで解いてみ?」

「はい。」

と、返事をした時は既に、手が先に動いていた。

次に記すべき数式や数字が、次々と書きだされてゆく。

まるで、会話のように。





あぁ、私ってやっぱり、"数学"が好きなんだな、と実感した。

それは、中林先生に惹かれる一つの要素でもあり、私と先生を繋ぐ大切なものでもある。

もしもこの世から"数学"がなくなってしまえば、私と先生の関係は無に還り、私は私でなくなってしまう。

そしてきっと、先生も、先生でなくなってしまうのだろう。





それにしても、好きなものを好きだと改めて実感するときというのは、何故こんなにも幸せなのだろう?



「できました!」
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