ラストゲーム
「美佳?」




涙混じりの声で奈央から連絡が入ったのは、それからすぐの事だった。




あー、何であの時番号交換したんだ。




今更後悔しても後の祭りだ。




それにしても、最近ばったり再会したばかりの人間に電話してくるほど現在、奈央の周りに人間は、居ないのか・・?




そう思うと何となく無視も出来ない。




「どうしたの、大丈夫?奈央。」




出来得る限りの同情心を電話口に集中させた。




「私、もうダメ。死にたい。」




突然の自殺宣言。




死ぬなら勝手に死んでくれ・・・。




これが私の本心だが私の言葉で奈央が死んでも後味悪い。




「ニュース見たよ。健君亡くなったんだよね。でも、どんなに辛くても、奈央まで死んじゃ駄目だよ。」




奈央の泣き声が電話口から聞こえてくる。




心底、うっとうしい。



私は、顔を歪め、電話口を耳元から離した。




これ以上、どうでもいい人間の嗚咽など聞きたくない。




私は、さっさと電話を切ることに決めた。




「犯人、もう捕まったから、心配しないで。私、仕事中だからもう切るね。また今度、直接会って話そう?」




私は、電話を切ろうとした。




「今度の日曜会える?」




奈央の声。




どうやら奈央にとって私は、話を聞いてもらいたい友達になったようだ。




電話を切りため息をつく。



私もお人好しだわ・・。




何故、奈央の誘いを断らなかったのか・・?




自分でもよく分からなかった。
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