Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~

「………」


やっちゃった。


勢いよく席を立ち上がったあたしの姿が、鏡に映ってる。

驚いた美容師さんの手からは、ハサミが落ちて。

痛いくらいの視線を店中から感じた。


「あ、あの、お客様?」

「……指名……っ」

「は?」

「やっぱり、指名……したいんですけどっ……!!」


真っ赤な顔でプルプルと肩を震わせながら叫ぶあたし。

あやしすぎる。怖すぎる。こんなお客、嫌すぎる。


でも、自分で自分が止められなかった。


……すると。


「俺?」


「……」


「で、いいですか?」



となりに立っていたのは

……唯一無二の、あたしの専属美容師、タケル。


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