ブラッティ・エンジェル
 一人。この無駄に広い空間に取り残された神。この間まで、これが普通だったのに、今はこんなにも寂しいな。
 ちょこんと、神はその場にしゃがみ込んで床をこつんを小突く。すると、そこには展開の映像が映し出された。こう映像で見なくとも、すべての記録は神の中に存在する。しかし、神はこう映像で見ることを好んだ。まるで、自分がその天使の人生を生きているような気がするから。
 天使達は、神が生命を生み出していくうちに現れた存在。魂に傷はなかったのに、天使には欠点があった。そしてそれを神は、心の欠如だと考えた。しかし、神であっても心は触れられない領域であった。だからといって、欠陥品だと言って捨てることもできなかった。
 この天界を創り上げた。心や他の誰かとふれあうことで、少しでも心を理解できればいいと思った。心があるのだと勘違いしてくれればいいと。
 目標を与え。羽根を与え。力を与え。仕事を与え。
 しかし、間違いだった。天使に心がないと言うことは、間違いだった。天使にも、心があった。ただ、心に気づけない者と心を閉ざしてしまった者がいたと言うだけだった。だからといって、創ってしまった理を消すことはできない。
 何もできないままだらだらと、ここまできてしまった。本当にだめな神だ。
 神はその場にころんと横になった。
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