G i f t ~ギフト~

挽きたての香り

「どうしたの?冷めるよ?」


『え・・・。あ。そうだね。冷めちゃうね・・・』


コーヒー。飲みたかったけど・・・。今の私には苦すぎて飲めないと思い紅茶の『アールグレイ』を頼んだ。


彼はここの店の自慢の『ブレンドコーヒー』


挽きたてのコーヒーの香りが鼻を擽った。


私の紅茶の匂いは彼のコーヒーの匂いに占拠されてしまって鼻がおかしい・・・。


「あのさ。さっきの人・・・お前知ってるの?」


(知ってるよ。知り合いでもなければ、顔馴染みでもない。友達でもない・・・)


『さぁ~?知らない』


一生懸命とぼけた。


「何、話してたの?」


(チッ。質問攻めか・・・めんどくさいなぁ)


『彼氏。かっこいいね!って言われた』


(これで満足でしょう・・・)


冷めきった紅茶を口に含んで彼を見る。


カタンッ


テーブルにカップを置きマジマジと私を見る彼。


「不安な顔してる。疑ってる?さっきの人と何かあったんじゃないかって・・・」


『全然。春人を信じてるから・・・疑う余地無いでしょ?』


わざと挑発して笑顔で返した。


< 14 / 161 >

この作品をシェア

pagetop