G i f t ~ギフト~
「お客で来ました!!」


私の前にはにこやかに笑う彼。


そして美波とヤッシー。


『何?してるん?』開いた口が塞がらない状態の私。


彼は私の肩に手を回して「女将振りを見に来た(笑)」とニヤつきながら言う彼。


「女将さ~ん。早く部屋案内してくれますかぁ?」


私を囃し立てる様に言うヤッシー。


この3人を見てさっきの客の名札書きしてた自分を思い出す。


(本村は彼だったのかぁ・・・)なんて思ってちょっと二ヤつく私。


『来たもんはしゃーないなぁ。ゆっくりしってて』


3人を用意した部屋へ通し、オカシイことに気がつく。


『何で2部屋取ったん?』


私の問いかけにヤッシーは美波を抱きしめ「こういう事だもん。春人と一緒はね~~」と美波と顔を見合わせる。


『ははぁ~ん。可哀想な春人君ですね』


彼はヤッシーに負けず?と私を抱きしめて「俺等もこういう事だもん」と私を見て言った。


『はぁ?うち客じゃないし。終わんないと来れないよ・・・』


「終わるまで待ってるから」と私の耳元で囁く彼。


仕事中にも関わらず・・・甘い余韻に浸かってる私。


なんていけない従業員なんでしょう・・・。


『夕食の準備整ったら部屋に電話入れるから・・・それまでゆっくりしてて』


彼達に館内の説明をし、名残惜しく私は客室を出て仕事場へ戻る。



< 64 / 161 >

この作品をシェア

pagetop