-roop-


「千夏……俺……俺…嬉しかった………っ」


誠さんの腕の拘束が強くなる。


それに応えるように、私も強く誠さんの腕を掴んだ。




「千夏がっ……千夏が抱きしめてくれて…っ……俺めちゃくちゃ嬉しかった………っ」


「……誠さっ……っ」



誠さんの声が震えてる…

泣いてる……泣いてるの…?



溢れ出す熱い想いに堪えるように、誠さんは私をギュッと腕の中に閉じ込めた。



「俺っ…怖かった……ほんとはっ……千夏に無理させてんじゃないかって……仕方なく……傍にいるんじゃないかって……俺っ…!!」


「………っ」




誠さん……

駄目だ…もう押さえられないよ…。


たとえ許されない想いでもいい…。

貴方が本当の私を見ていなくても…それでもいい…。

誰かに『何勘違いしてるの』と笑われたっていい…。




私の心が叫ぶ


恋しい恋しい

それでも恋しくて仕方がないと…

私の心が叫ぶの……




「だから……だから千夏が抱きしめてくれて俺は……っ!?!」





私は誠さんの方を振り向いて、雨に濡れた彼の身体に

強くしがみついた。
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