-roop-

千夏さん

千夏さん



私はやっぱり地獄行きかもしれない





たとえ約束を果たしても

貴方の一番大切な人を心から愛してしまった罪は

決して許されはしないだろう





誠さんを


貴方の愛する人を

本気で愛してしまったことは


許されはしないだろう









けれど

もう

それでも構わない…








この温もりを感じていられるのなら

誠さんに抱きしめてもらえるのなら



もう

それでも構わない……





それならばいっそ…




彼と離れるその日まで




最後の

最期のその日まで




私は

『私』として

誠さんを愛してはいけませんか




彼の優しさが

温もりが

視線が



どんなに愚かでも構わないから



『私』


に向けられたものだと


信じていてはいけませんか…?





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