-roop-

「ああやって…しつこいくらいに俺を心配するとことか………高校の時から……出逢った頃から変わってない……」




千夏さんと本当の私は似ているのだろうか。

それとも千夏さんの中にいるから私が千夏さんに近付いているのだろうか…。



「…なのに……なんか俺…あんなかっこ悪いとこ見られちまって…それで……つい……本当に……ごめんな……?」


申し訳なさそうにそう呟く誠さんの手を、強く握り返した。



あの日



『なぁ千夏…誰にだと思う?』



貴方が泣いていたのは



『親友だと思ってた…男にだよ…』


「……あの人…なんだね…」


「……あぁ……あれでも……本当にいいヤツだったんだぜ?」


悲しそうに笑いながら、誠さんはそう零した。


「……うん……」


誠さんの心の中に残る…まだ彼を信じていたい気持ち…。

彼を信じていた自分を信じていたい気持ちが…痛いくらい胸に突き刺さる。
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