-roop-
「俺だって………お前に救われたんだ……」
「………?」
おでこをくっつけたまま、誠さんはそっと私の頬に手を添える。
「…全部諦めてたあの頃の俺に…生きようって…思わせてくれたのは……お前だよ…?千夏……」
「……っ」
熱く…溢れる想い…。
たとえそれが…貴方に生きる力を与えたのが私ではなくても
それでも…嬉しかった………。
「…誠さ……っ」
「まぁーた泣く~……」
「だって……っ…」
こんなにも深い想いが…果てない想いがあるなんて…
私は、本当の私はきっと知らなかった…。
居てくれるだけで自分の生きる理由になるような、そんなかけがいのない存在。
私自身は…貴方のそんな存在にはなれなかったけど…
私にとって貴方は、誠さんは…『私』が存在する唯一の理由でした……。