-roop-

「でもさっ…」


「……?」


誠さんの言葉でふと我に帰る。

誠さんは、天井に向けていた視線をゆっくりと私に向けた。





「でも……俺がいるから…」


「…え…?」


誠さんはバッと私に身体を向けて、両手で強く私の手を握り締める。




何故か…振り払う気がしなかった。




むしろ力強く握られた手が嬉しかった。

熱い体温を感じれることで、少しでも自分が存在していると実感できる気がした。




「俺は……ずっと千夏の傍にいるから……何も…心配しなくていいから…」


熱くて、真っ直ぐな視線。




本気で……本気で千夏さんを愛しているんだ…

大切で大切で……仕方ないんだ…。


照れたように笑う千夏さんの顔が浮かんだ。




千夏さん…

こんなに…こんなに愛されてるのに…

こんなにも愛し合ってるのに……



どうして神様は…二人に未来を与えてくれなかったんだろうね………
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