地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
――陸Side――
隣でスヤスヤと眠る杏を眺める。
「無理させたな……」
サラサラの黒髪を撫で回した。
ベッドから下り、服を着ると咲姉に電話を掛けた。
「…咲姉?…テレビ番組に出たモデルのリストをメールで送って」
用件を伝えて電話を切る。
すぐに別の所に掛けた。
「…俺だけど。至急モデル事務所のデータを送れ。
あぁ…そういう情報もあればな…2日で潰すから、急いでくれよ」
素早く会話を終わらせて電話を切った。
またベッドに戻り、腰掛ける。
「……ごめんな、杏。」
バイトを始めてから1カ月以上は経ってる。
その分…イジメを受けていたはず