中学最後の冬休み《短》

「冗談でこんなこと言わないよ」

潤んだ瞳。
綺麗な首筋。
そして少し開いた唇。

俺はその唇を予告なく奪った。

ナツの身体が強張るのを感じたけど、そんなことを気にする余裕なんてない。


舌を差し入れると、ナツは控えめに自分の舌を絡めてくれた。

その動きはすごくぎこちなくて、慣れていないことがすぐにわかった。

それに俺は少し嬉しくなる。


キスをしながら腰を撫でると、ナツの身体はびくっと揺れた。

擽ったいだけなのか、感じているのか。

俺は自分のいいように解釈した。


ワンピースの裾から手を入れようとしたとき、俺の肩に軽い痛みがはしる。

少しだけ唇を離して、目を開けると酸欠状態らしいナツが俺を睨んでいた。
< 12 / 18 >

この作品をシェア

pagetop